表と裏の高速回転

色々な気持ちを忘れない様に

理由

私には筋トレの習慣がある。

始めてから丸二年は経過した。

 

以前ブログにも書いた通り、私が使っているタニタの体組成計の筋肉スコアを0にまで上げると目標を立て、コツコツ続けている。

 

残念ながら今のところ、全然変わらない。いや寧ろ、体重と筋肉量が減っていってしまっている。

 

奇跡的に去年、筋肉スコアが0になった事があった。写真を撮りたくて、もう一度乗ると-1になってしまったが。

 

0を見たのはその一回のみ。

もう一度見たいと今もずっと努力している。

 

何故そこまで固執するのか。

それには幾つか理由がある。

 

一つ目は、以前ブログ記事にした。

糸を引く様なストレートが投げたい。

青空に吸い込まれていく様なノビのある球を。

その為に、色々なYouTubeを見て練習している。

フォームというのが如何に大切か。

 

自分の投げ方を動画に撮って見ると素人丸出しだ。やはり、基礎筋肉が足りない為にイメージ通りに投げられないと考えている。

今の課題は内腿が弱い。

しっかり鍛えなければ。

 

もう一つの理由。

 

もうあれから10年位経ったか。

 

人生に迷走していた頃。

今も勿論迷走してはいるのだが。

 

「酷く」

 

と付け加えようか。

自分に自信をつける為、手の届く範囲の資格を手当たり次第に取得していた時期。

 

この、

「ある資格」

は二週間程通学しなければ取れない。

当時、仕事もリセットしたので、時間はあった。

 

その初日。

 

教室に入ると長机が数台並べられている。長机一つに椅子が二つ。

 

既に、全ての机の片方の椅子には、誰かが座っていた。

私は必然的に、誰かの隣に座らざるを得なかった。

見渡すと、ぱっと見、同世代に見える男性がいた。

 

無難だ。

 

そう思い、彼の横に移動した。

 

—すみません。横、空いてますか?

 

私が一言そう言うと、彼はコチラを向き、

 

「とても嫌な顔」

 

をした。

私はかなり動揺してしまった。

座るのは駄目だ、という事はよく分かった。

すぐ後ろの若いお兄ちゃんに会釈し、その横に無事、着席出来た。

 

講義をききながらも、彼のあの嫌な顔を思い出し、私はやり場のない感情に支配された。

嫌われ慣れている自負はあるが、あそこまでの

 

「disgust」

 

に、お目にかかった事が無かった。

怒り、悲しみ、憎しみ。

負のエネルギーに満ち満ちていた。

 

ただ、他の人達はとても良い方ばかりで、二十人程のクラスの中、私は学生時代に置いてきた後悔を晴らす事が出来た。

 

そして、最後に簡単なテストが行われ、皆合格。

 

その後、前々から決めていた、打ち上げが行われた。

 

その彼も同行する。

 

細長い部屋。座る席は対角線の端同士。

お酒を飲み、一通り騒いで解散。

 

彼とは、もう二度と会うことはあるまい。

 

店の外に出て、皆が揃うのを待つ。

 

その時。

 

disgust彼がなんと、話しかけてきた。

 

—ごめん。

 

全く予想してなかった場面に、私は面食らってしまった。

喋りかけられる事も、その上、謝られる事にも。

彼は徐に話し始める。

 

—似ていたんだ。

私を死ぬ一歩寸前まで追い詰めた〇〇省の役人に。違うのは、分かってたんだけど。

 

そう言って、彼は手を差し出した。

握手を交わし、我々は別れた。

 

??

 

向こうはスッキリした様だが、私は釈然としない。

そんな目に遭ったのは気の毒だが、私とは縁もゆかりも無いじゃないか。

 

〇〇省のお役人。

 

もう二度と似てると思われない為に、その時の体型と決別するべく日々トレーニングをしているのだよ。

 

ふふふ。

 

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