私は、雑草を抜く。
それは、職場の空き地。
ずっと、継続して行っている。
何坪ぐらいだろうか。
元は社宅だった場所なので、まあまあ広い。
とても一人では手に負えないので、手強い草から順にひいていった。
ほおっておくと、草から木の幹のように逞しくなってしまうヤツや、気が付いたら服のあちこちにタネがひっついてしまうヤツ。
そう言った、目立った奴等から。
—駆逐してやる。
と、意気込み片っ端から引っこ抜いた。
そして、次の年。
よし。
ソイツ等の姿はない。
その代わり、背の低い草たちが所狭しと繁茂していた。
ああ、コヤツ等らは、
「二軍」
一軍の連中を私が根絶やしにしたからだろう。
ずっと、土の中で種のまま。
虎視眈々と地上に出るのを待っていたのだ。
—面白い。
私はひとりごち、今度は黙々と、その二軍達を、普段は絶対に見せないであろう、サディスティックな表情で抜いていく。
次は、誰がこの世界を支配するのか。
今から楽しみで仕方ない。
だが、覚えておくといい。
ここの本当の支配者は、
私だよ。