表と裏の高速回転

色々な気持ちを忘れない様に

バスの揺れ方で人生の意味が分かった御方がいる。

 

聞いた当時、私は二十代前半。

そんな些細な事で、そこまで壮大な発見があるのかと、驚きと同時にとても羨ましい気持ちになった。

 

一度でもいい、そんな体験をして見たいと思っていた矢先。

 

…なんて、都合の良い話など無い。 

 

それから、幾年月を経た、

 

つい先日。

 

ちょこちょこ行く三重県への出張帰り。

やはり、コレを食べねばならぬよな、と立ち寄る場所は、

 

スガキヤ

 

今回は奮発して特製ラーメンを食べよう。

なんたって、今月は私の誕生月なのだから。

 

いつもの様に、ぴいぴいなる物体を渡され出来上がりを待つ。

 

この時間も、とても良いな。

もう、家に帰るだけの私を、のんびりとした昼下がりの空気が包みこむ。

 

見渡すと、隣はゲームセンター。

そして向かいは、大好物のガチャガチャが所狭しと並んでいる。

食べ終わったら、また見て回ろう。

作業着を着ている中年が、彷徨いている風景を客観的に想像し、変なツボに入った。

 

そんなくだらない事を考えてると、

 

ぴいぴいが、

 

鳴り始めた。

 

徐に席を立ち、受け取りに行く。

f:id:necosiri7:20240704235130j:image

むふふふ。

 

 

あれ、これって。

 

ああ、そうなったのか。

いやはや、世知辛いねえ。

 

いや、店員さんには悪いけど、いただきますよ、勿論。

 

これこそ、スガキヤ

寧ろコレが本体。

 

そう、頭の中で悠然と語りながら、席に着いた。

 

 

あれ?

 

f:id:necosiri7:20240704234611j:image

スガキヤスプーンが、

 

2本。

 

 

 

—ちゃんと話してよ。

 

 

 

 

それらを発見すると同時に、妻からの声が聞こえた。

 

—些細な事でも、共有したいんよ。あなたは、いつも勝手に解釈して、わかったつもりでいてるやろ。

コミュニケーションは大切やで。

 

うんざりするほど聞かされたセリフ。

 

いやいや私は、心を共有しているからこそ、喋らなくても分かる事を増やしていきたいのだ。

それこそが、夫婦の究極の形だ。

そう頑なに考え、乱暴に切り捨てたその言葉達。

 

そうか。

 

私がやっていたのは、

 

「早合点」

 

今回同様、自分勝手な思考回路で、相手の話を聞かず、都合の良いストーリーを作り上げていたのだ。

 

いやいや、これはこれで発見やん。

小さい可愛い子供用やで。

 

 

今回ばかりは茶化さないでおこう。

 

これからは、彼女の言う事を聞いていこうと決めた。

 

でもさ、君は運命の人だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兆し

私は、歌う事が好きだ。

学生時代は、カラオケによく行った。

当時の十八番は、なんだったかな。

 

Mr.Children

 

「光の射す方へ」

 

だったような。

 

ただ、ここ10年程は一回も。そう、一度たりとも行っていない。

 

一緒に行ってくれる友人も縁遠くなり、そして何より、最近の歌は本当に難しいのだ。

 

良い歌を見つけても、そのキーで歌えない。

 

試しに車の中でうたってみる。

独りの車内はいつも宛ら、レッスン場になっている。

 

高い音によしんば届いても、一曲歌い上げる前に喉が枯れてしまう。

 

こんな状態で、お披露目等出来る筈もなく。

 

 

 

昔の、声変わりする前の私は、何処までも高い声が出た。

 

いつだったか、音楽の先生が、子供の歌声を録音する必要があり、二人づつ順番に私達は、組みになって歌う機会があった。

 

そして、我々の番。

隣のクラスメイトは、地声で歌っている。

 

私は、

 

「歌う時の声」

 

は、地声では無い、歌う為の声とあると感じていた。

女の子の様だと恥ずかしいと思っていた声。

 

思い切って使ってみた。

細い糸のようなそれは、どうしても隣の声にかき消されてしまう。

 

何処からやってきたのか定かでは無い、憤りに近い感情を感じながら歌い切り席に戻ろうとすると、私の手を先生が握ってきた。

 

どういう意味か分からなかったが、その後、録音の為に置かれたマイクは、私の真ん前に位置していた。

 

それから暫くして、変声期が訪れてしまい、あの声は永遠に失われてしまった。

 

今一度、あの声を取り戻そうと、試行錯誤を繰り返している。

 

すると、先日。

とても気持ち良い歌声に再会できた。

 

喉の後ろに響きを感じるような。

高い音も苦もなく出る。

 

そうだ。

 

歌をうたう時の声。

こんな感じに出していた。

 

かわいいと言われていた私は、思春期にさしかかり、かっこいいと言われたがり、無理をした。

 

低い声を作ったり、子供っぽい好奇心に蓋をした。

 

この歳になり、漸く自然な自分を受け入れられる準備ができたのだろうか。

 

その訪れならば、

 

凄く、

 

嬉しい。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

性根

私は、雑草を抜く。

それは、職場の空き地。

 

ずっと、継続して行っている。

 

何坪ぐらいだろうか。

元は社宅だった場所なので、まあまあ広い。

 

とても一人では手に負えないので、手強い草から順にひいていった。

 

ほおっておくと、草から木の幹のように逞しくなってしまうヤツや、気が付いたら服のあちこちにタネがひっついてしまうヤツ。

そう言った、目立った奴等から。

 

—駆逐してやる。

 

と、意気込み片っ端から引っこ抜いた。

 

そして、次の年。

 

よし。

 

ソイツ等の姿はない。

 

その代わり、背の低い草たちが所狭しと繁茂していた。

 

ああ、コヤツ等らは、

 

「二軍」

 

一軍の連中を私が根絶やしにしたからだろう。

 

ずっと、土の中で種のまま。

 

虎視眈々と地上に出るのを待っていたのだ。

 

—面白い。

 

私はひとりごち、今度は黙々と、その二軍達を、普段は絶対に見せないであろう、サディスティックな表情で抜いていく。

 

次は、誰がこの世界を支配するのか。

今から楽しみで仕方ない。

 

だが、覚えておくといい。

 

ここの本当の支配者は、

 

私だよ。

 

 ブログランキング・にほんブログ村へ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村 

 

 

 

 

 

マイガシャポンドリーム 第4回

私は、あまりしてこなかった様に思う。

 

集積所へのゴミ捨てに始まり、ご飯の支度や、色々な場所へのお使い等の、

 

「家の手伝い」

 

と言うヤツを。

 

ただ、

 

アレ一つを除いて。

 

母親が夕飯の準備をしている。

 

私は決死の覚悟でそこへ向かう。

 

下手をすれば命に関わると真剣に考えていた。

 

その名も、

 

「風呂の湯沸かし」だ。

 

団地に住んでいたあの頃。

我が家では、バランス釜と言うシステムでお風呂を沸かしていた。

 

うん。水は風呂桶に充分溜まっている。

 

さあ、ガスの元栓をひねろうか。

そして、上部のツマミを押しまわす。

ツマミは押し込んだまま、下部にあるハンドルを回し、「かちっ」と鳴らす。

 

ツマミはそのままで、20秒程我慢。

 

そろそろだ。

 

3と書いてある所迄、勢いよくツマミを回す。

 

—頼むぞ。

 

 

—ぼっ。しゅわ〜

 

よし。 

 

一回で成功し、ほっと胸を撫で下ろす私。

 

日によって何回も失敗する時もあった。

 

行為を繰り返しながら、私はよからぬ事を想像し始める。

 

そう、それは、

 

出したガスの行き場。

 

ひょっとしたら、そこかしこに隠れていて、何回目かの「かちっ」で、爆発するのではないか。

 

そんな、ハラハラしながらお手伝いをした思い出。

 

それがなんと、ガシャポンに。

 

f:id:necosiri7:20240414214917j:image

 

その名も、

 

「♾️(無限)バランス釜」

 

うん。

個人的な趣味全開。

 

賛同者は、っと、

ひいふうみい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲喜劇

—あんなに笑ってたのに。ほんまは怖かったんやな。

 

タワーオブテラーに乗った後、妻からの一言。

 

怖すぎたら、

 

 笑うしかない。

 

皮肉にも、私の人生そのものだ。

 

中学時代、いじめられた経験がある。

 

笑顔、自信、信頼。失った物を挙げればキリがない。

 

その代わり、時を同じくして授かった能力があった。

 

それは、

 

「過敏性大腸炎

 

と言う病。

お医者様に診断してもらった訳では無い。

しかし、症状から類推するにそうに違いないと私は思っている。

 

緊張やストレスなどで、お腹が痛くなる人が居る。

 

それと同じ様ではあるが、直接的な

 

便意

 

として現れるこの病気。

 

しかも、皆様経験がおありだろうが、厄介な下痢パターンの症状で。

 

一度目より二度、三度目と回数を重ねるごとに強くなる。

 

こんな苦痛が、ところ構わず発症するのだ。

 

いじめられた時より、

 

「学校に行く」

 

こんな当たり前の事にすら怖くて緊張する様になっていた。

 

朝起きる。

 

朝食はもう食べられない。

 

そして、登校前に二度は必ずトイレに行く。

 

便意があろうとなかろうと関係なしに、だ。

 

「水様便」

 

この状態になるまでひたすらに息んだ。

日によって、そこまで辿り着けるかどうかは分からない。

着けたところで、学校ではどうなるのかも分からない。

 

便意

 

この言葉はどれだけ調子の良い日だろうと、頭の片隅に擦っても落ちない汚れの様にこびりついている。

 

—負けてたまるか。

 

何とか克服しようと、高校では演劇部に入った。

人前で演技が出来るのであれば、人に対して緊張しないで済むかも知れない。

 

この事も入部した理由の一つ。

 

しかし、改善は見受けられ無かった。

 

そして、強烈な思い出が出来る。

いつぞやの動物園。

 

一丁前にデートをしていた時。

 

猿山での出来事。

 

一匹のオス猿が、メス猿に近づいて行っている。

何かちょっかいを出している様に見えた。

その刹那、山の上からボス猿が落ちてきてオス猿を威嚇したのだ。

オス猿は糞尿を撒き散らしながら、奇声を発して逃げて行った。

 

怯えて漏らす。

 

ああ、

 

あれは私だ。

 

とざいとーざい。

 

クソの様な男がクソみたいな社会で、泥土の様なクソをする。

 

本人悲劇のヒロイン気取り。

見てる方はお笑い草。

 

男の面白ズッコケ話。

見ないと損だよ。

 

とざいとーざい。

 

 

人生はネタだ。

 

 

悲劇に出来ないのなら、喜劇にするしかない。

 

怖いのなら、笑い話に変えろ。

 

そうやって今まで生きてきた。

 

夢の国に居る今現在も、容赦なく便意が襲っている。

家で2回、空港で1回。アトラクションの列から外れ、トイレに駆け込む事2回。

 

—行くなら、マーメイドラグーンのトイレがオススメ。

広々していて、大便器も多いよ。

 

涙が出そうになりながら、ネタに落とし込み、自嘲する。

 

私がノスタルジーを欲すのは、それとは無縁だった時分だからだろう。

ただ笑い、ただ泣けた。

一人称で、素直に生きられたあの時代を。

 

 

今週のお題「卒業したいもの」

狼少年

—またか。

 

私は、ショートメールを眺め呟いた。

 

—お客さまのクレジットカードにおいて、第三者による不正利用の可能性を検知したためカードのご利用をお止めしております。

 

その下には、URL。アルファベットの羅列の中、ご丁寧に私が使っている信販会社の文字も見受けられた。

 

新手、いや何処にでもあるフィッシング詐欺だろう。

 

まあ、引っかからないからどうでもいい。

なんて、思いながら数日後。

 

某フライドチキン屋さんでお会計。

最近は、セルフレジになっとるんだね。

なんて言いながらクレジットカードを挿入。

 

暫くすると、

 

「使えない」

 

の文字。

あれ。おかしいな。通信エラーかな。

 

もう一度挿入するも、同じ文言。

 

ひょっとして。

 

違うカードで支払っている間、私の頭の中をどす黒い何かが渦巻いていた。

一目散で家に帰り、カード使用履歴を確認する。

 

なんだこれ。

 

有名ピザ屋さんの名前と、

 

2331円

3311円

3416円

4279円

 

計4回。13337円のご注文があった。

 

そしてこのピザ屋さん、残念ながら家の近所には存在しないし、我が家にピザが届いてもいない。

 

やられたのか。

 

後日、カスタマーサポートへ電話し、話を聞いた。

 

—去年の暮れ頃、海外の会員になるのにこのクレジットが使用されています。お心当たりは。

 

—ありません。

 

—その頃に何か、カードを使う際に引っ掛かる事はありませんでしたか。

 

—そう言えば。

 

某夢の国への入場券。

 

故あって、旅行会社からでは無くネット購入した。

一日目はすんなり買えたのだが、二日目のチケット購入の際、不正を疑われカードが使えなくなった。

何とか使えるようにしようと、色々やった時、セキュリティレベルを下げるのなんのかんののページに飛んだ。

少しの間、レベルを下げる事でカードが使えるかも。

そんな文言だったような。

素直に応じ、購入を試みたのだが、結局買えずじまい。

最終、妻のカード使用で事なきを得た。

そんな思い出。

 

—その時に盗まれたのかな。

 

—そうかも知れませんね。

とりあえず、この購入履歴はお客様のものでは無いと言う事ですので、消させて頂きます。それと、このカード番号は使えなくさせて頂きます。

後日、また新しいカードを送付いたしますので、宜しくお願い致します。

 

—はい。…っちょっとまってください。

新しいカードと言うと、番号が変わるんですよね。定期的にカード引き落としをしているサービスは、自動的に変更…

 

—されません。

 

—されませんか。

 

—なのでお客様で引き落としカード番号の変更をお願い致します。

 

—おお。おお。

 

面倒くさい。非常に。

あれもこれも、変えなければいけない。

おっと。

 

—その新しいカードはいつ届きますでしょうか。

 

—10日前後を見ていただければ。

 

おお。おおお。10日。その間引き落としが有れば、滞納と言うことになるじゃあないか。

そんな事を考えていると、私の奥よりふつふつ怒りの感情が湧き上がった。

 

ええい、にっくき、

 

ピザ好きめ。

 

—分かりました。

所で、不正利用した方の情報などはございますでしょうか。

 

—それが、私共の情報も、お客様にお渡ししている履歴しか送られてきておりませんので。分かりかねます。

 

そんな訳ある?

 

—それでは、そのピザ屋さんに聞かないと分からないんですね。

 

—はい。

 

—とりあえず、私が購入していないと認めて頂けて良かったです。それでは。

 

と、電話を切った。

 

次はピザ屋さんに連絡して、ピザ野郎をとっちめてやる。

 

と、サイトに行きお客様サポートにメールをうっている途中、

 

もううのすっごく、

 

「馬鹿馬鹿しく」

 

なった。

 

脱力感が私を襲う。

そしてゆっくりと、サイトを閉じた。

 

うん。

 

結局、私はお金を損しないのだ。

とおっても面倒な手続きをいっぱいしなければならないだけだ。

 

良かった。でええ。やん。

 

その先の話は、私で無い誰かの役目だし。

そう考え、この話はお終い。

と、私は強引に幕を引いたのである。

 

嗚呼旨し

 

人のカードで

 

食べるピザ

 

オアトガヨロシクナイヨウデ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ