人生は、
「ネタ」
だ。
いつからこんな事をメインテーマに生きて来たのか。
幼少期より、面白いが正義と考えてきた。
しかし、出力される答えは、
YESと周りが言えばNO。
NOと言えばYES。
こんなの、ただのつまらない天邪鬼でしかない。
知っているよ。
私は、オリジナルのアイデアが思い浮かばない凡人だと言う事を。
才能のある人間を横目に、悶々としながらも身体を捩らせ考えを巡らせてきた。
しょうもない案でも、誰もやっていない事が大切だった。
色を持たない人間。
アイデンティティの確立が、私の急務だった。
そして大学生の頃。
一つのアイデアが閃いた。
使うのは、
「風呂の栓」
勢い勇んでホームセンターに行き、色々なサイズの中から一番しっくりくるモノを選んだ。
これを、輪っかにして首にかけ、
「風呂栓ネックレス」
を私は編み出したのである。
これは、誰もやってはいまい。
その上、私らしいではないか。
イタイ格好で暫くの間、それを装着し、大学に通った。
別にそれによって注目された訳でも無かったが、何故か楽しかった。
楽しい思いを共有しようと、事もあろうに恋人の誕生日にも、綺麗に包装して渡してみた。
私がこんなに嬉しいんだ。
きっと喜んでくれるだろう。
しかし、箱を開けた刹那、みるみるうちに輝きを失っていく彼女の瞳。
この風景は、今でも鮮明に覚えている。
ああ、近しい人でも価値観を押し付けてはいけない。
これは、危険な自己満足なのだと、痛切に思い知らされた。
そんな思い出。
それを、ガシャポンにする罪深き私。
はい、それは
「お風呂の栓型耳栓ボールチェーン」
イメージは AirPods。
風呂の蓋を捲り上げると出てくる一対の小さな風呂栓。
それを、耳に入れるとノイズキャンセリング
「のみ」
が、発動される優れもの。
イヤー(ear)面白い。
なんつて。
ネックレスは数年前に、何処かのブランドが作られていたので耳栓に変更した。
こんなのガシャポンが有れば、絶対に私は回す。
回すんだよ。ホントに。