表と裏の高速回転

色々な気持ちを忘れない様に

大作

私は幸せ者だ。

色々理由はあるが、その中の一つ。

 

あの、大作と共に歩めたから。

 

初めて買って貰ったテレビゲームは、

 

「大正義」

 

ファミリーコンピュータ

 

以前記事にした、

 

「ワードモンスター」

 

の友人宅。

 

時、小学校二年生。そこで初めて見たマリオブラザーズに私は度肝を抜かれた。

 

こんな色鮮やかで滑らかに動くテレビゲームを今まで見た事が無かったからだ。

 

MSXカセットビジョンとは明らかに一線を画す性能に私は一目惚れをした。

 

そして、興奮冷めやらぬまま家に帰り、兄弟三人分の誕生日やクリスマス、盆と正月その他諸々記念日をごてごてとひっくるめ、まとめあげ、おねだりして買って貰った。

 

ゲームセンターにあるアーケードゲームを次々に移植していくファミコン

 

本当に夢中になった。

 

だが暫くすると、人間。

と言うか、私。

 

欲が出てきてしまう。

 

どうしてもアーケードオリジナルのクオリティには勝てなくなってきたのに不満を覚えたのだ。

 

パックランドはキャラクターがいささか小さすぎるし、エグゼドエグゼスの二重スクロール等は望むべくもなかった。

 

そりゃ、片や何十万とする基盤で構成されたアーケードゲーム

ファミコン本体は14800円。

比べる方が間違っている。

 

すると、私の不満を知ってか知らでかファミコンソフトは独自の進化を遂げていく。

 

RPG

 

の台頭である。

 

100円で、当日だけ遊ぶアーケードゲームに比べて、じっくり腰を据え、長い時間遊べるゲームが現れた。

 

そして、満を辞して、

 

ドラゴンクエスト

 

発売。

 

限りあるハード性能と容量。

出来うる限りのアイデアを詰め込み完成したそれは、私を虜にした。 

 

正面向きしか出来ない勇者。

こんな16×16マスのドットで、しかも3色しか使えない。

 

のにも関わらず、すぎやまこういち先生の素晴らしい音楽と綺麗な鳥山明先生の一枚絵のモンスター。

そして、堀井雄二先生のストーリーと愛のある台詞回し。

 

記号に命が吹き込まれ、私は物語にのめり込んで行った。

 

それは、私に限った話では無い。

 

日本中で大人気となったドラクエは、シリーズ化され、2、3と、社会現象を起こしていく。

 

私も勿論、夢中になり続けた。 

 

そして今まで、殆どのドラクエシリーズをクリアして来た。

 

ただ、

 

「7」

 

当時、プレイステーションで発売されたそれは、買った記憶はあるのだが、クリアしていないのだ。

 

ドット絵のキャラクターだが、背景はポリゴン。プレイステーションの最新技術を駆使し、自由に背景を回転させる事が出来た。それにより、宝探しをしていると言うワクワク感は別格。

 

そんな良ゲーをクリアしていない事にずっと悔いが残っていた。

 

そして今、思い残す事の無い人生を歩むべく3ds版を購入し、寝る前の少しの時間楽しんでいる。

 

そして、夜な夜なプレイを進めて行くと、砂漠でのクエストがあった。

 

お城が敵に乗っ取られてしまっている。

その近所の村にて。

族長の息子は、危険を冒しながらも、お城に潜入を試みている。

 

族長の家は梯子がある二階建て。

 

二階には、御付きの者の部屋と、心労で寝込んでしまっている族長の妻の部屋があった。

 

そして、族長の息子が村に戻ってくるがまた、自ら危険な目に会いに行くと言う。

 

そのシチュエーション。

族長の妻は一階に降りており、一通り心配し、ゴホゴホと咳き込んだ後、その梯子をドラクエ特有の、

 

たったった

 

と言う、子気味良い音を立てて登って行ってしまった。

 

??

 

3ds版は全てポリゴンにてキャラクターやフィールドが描かれており、リアルさが増しているのに。

御付きに付き添って貰ってもいいし、なんなら一階に妻部屋を作っても良いじゃないか。

 

壁に据え付けられた垂直の梯子を。

 

—元気やん。

—めちゃめちゃ元気やん。

 

その時の光景を思い浮かべると、じわじわおかしみが込み上げて来た。

 

クスクス、

 

声にならない声で肩が小刻みに揺れた。

なんだろう、このほんわかした温かい笑いは。

 

と言う訳で、私はドラクエがいつまでも愛おしいのだ。

 

ドラクエ1の誕生物語はコレを読めば良く分かる

絶賛発売中です。

と、張り付けてはみたものの、プレミアが付いておりました。

 

 

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