「最優秀賞」
今までの人生で初めての賞を頂いた。
子供の頃と、息子との思い出を繋ぎ合わせて応募してみた。
受賞できて、凄く嬉しい。
私自身、思い返してみても、作文は得意だった訳では無いのだが。
小学校時分、校内で行われた読書感想文発表会。
学年毎に男女一人づつ選ばれ、皆の前で朗読する。
一年生の時、私が何故か選ばれた。
本の名前は今でも覚えている。
「燃える貨物列車」
「何故か」と描いたのは訳がある。
私はこの本を
ほぼ読んでないのだ。
図書室で、分厚い本を借りる私。
周りの羨望の眼差しが痛いぜ。
と、格好をつけて借りた。
それだけが目的。最初から読むつもりなど毛頭ない。
行儀悪く立て膝をついてパラパラとめくっていくと、挿絵が何枚かあった。
劇画調の男性が燃えている貨物列車の中に居る。
これだ。
ここのシーンを最大限に膨らませ、その男性に「熱くなかったですか」とか、「狭くなかったですか」と、疑問文を繰り返す酷い文章。
これが選ばれた。
体育館での発表を終え、壇上から降りる際、舌を出して怒られた。
出したい気持ちは、今でも分かる。
あの時よりは「こまし」な文を書けていると認めて頂いた。と、考えて良いのだろうか。
いや、
悪い癖を今日はださずに、祝杯をあげようと思う。
乾杯。