今週のお題「わたしの部屋」
家を購入して7年程経った。
2階建の一軒家で4LDK。非常に満足している。
だが、私の部屋は「無い」。
1階はリビングと和室。2階に我々夫婦の寝室と子供部屋。
それで一杯。とても今現在、自分の部屋が欲しいなどと口が裂けても言えない状況である。
それでも将来、子供が独立し部屋が余ってきたら、狙っている場所がある。
子供部屋でも寝室でもなく、二階にある物置き。
きっと、建築時に注文すればトイレになり得たであろうスペース。
そこに、私の居場所を築城するのだ。
子供時分、3人兄弟だった私は、自分の部屋があてがわれる訳もなかった。
たまにいる、自分の部屋を持つ友人の家に遊びに行った時は、おのぼりさんの様に辺りを見回した後、羨望の眼差しを向けるのみであった。
ただ一時、自分だけの空間を作る事が出来た。
あれは、寝る前。
布団を敷き終わった後に出来る押入れの空白。
そこへ私は、ドラえもんよろしく上の段に潜り込む。
デスクライトを持ち込んで毛布に包まりながら本を読む。
あの狭く薄暗い場所は、生まれる前の記憶に残る心地良さがあった。
あの雰囲気が、その物置にも宿っている気がしてならない。
一夜城にならぬ様、今から設計しておく事にしようか。