表と裏の高速回転

色々な気持ちを忘れない様に

タビボウロク 愛知県 前編

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—今行かんでいつ行くん?

 

妻の言葉が、私に突き刺さる。

今まで、

 

「いつか」

 

と言って誤魔化していた。

 

逆に、

 

知ってしまう事の怖さ。

 

それも勿論あった。

 

だが、もういい頃合いじゃないか。

美味しい物が美味しく食べられる内に。

 

そして9月某日。

 

我々は一路愛知県へ。

 

いつもなら、名阪国道で東へ向かうのだが、今回は初めて名神高速を使って見る事にした。

 

これが大当たり。

 

やはり、高速自動車国道だけの事はあり、車線も多くとても走りやすかった。

 

途中、数箇所サービスエリアに寄りながらも、無事愛知県へ。

 

何が目的なのか。

 

そう、私は食べたかったのだ。

 

本場名古屋の

 

「ひつまぶし」

 

を。

 

何回か、お邪魔していたが、今迄一回も、食べてはいなかった。

 

卑しい身分の私などがこんな高級なメニューを食べて良いものなのか。

憧れは憧れでそっとしておいた方が良いのでは。

 

こんなネガティブな感情が、私を苛んでいた。

 

いや、どんな言い訳をしようが、もう現場に着いたのだ。

 

後は野となれ山となれ。

 

前日より調べていたお店達の中から近い所を探す。

 

あった。

 

それは、うなぎの名店。

 

「しら河」

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近くまで来てネット予約が出来ると知る。

慌てて申請すると、10組の待ち。

なんとかありつけそうだ。

 

店の外には、割烹着の方。親切にも駐車場所に誘導してくれた。

 

妻は待っている間、近場を散歩しようとスマホの地図を見せてきた。

 

知らない名前のショッピングセンター。

 

違う種類の涎が湧いてくるのが分かった。

 

ダメだ。いけない。目的を見誤るな。

 

もし、ハプニングが起きて、食べられないなんてコトが起きたら。

 

断腸の思いで断った。

 

じっとり汗ばむ陽気の中、車中で待つ事およそ30分、店内に呼ばれ10分。

 

2階の一番奥、靴を脱いであがるお座敷に通して頂いた。

 

もう、テンションMAX。

 

さあ、メニューを見る。

 

—ミニもあるみたいやで。

 

道中あろう事か、子供達は空腹に耐えきれずおにぎりをたべていたのだ。

 

そんな私の言葉を聞き入れず、普通サイズを注文しよった。

 

ええい。残ったら任せておけ。わたくしめが一粒残らず平らげてやるわ。

 

ドキドキ高鳴る胸を押さえつけ、平穏を取り繕う。

 

そうこうしている間に、襖が開く。

キタヨキタヨ。

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蓋をそろりそろりと開けると、
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まっ眩しい。

 

輝くうなぎがみっちり。

 

はあ。幸せ。

 

ぼーっと、暫く見とれてしまっていた。

 

いかんいかん。

 

食べてナンボ。

 

しかし、ひつまぶしの食べ方がある。

ちゃんと、その通りにしないと。

 

一杯目。そのまま。

二杯目。薬味を乗せて。

三杯目。出汁を注いで。

四杯目。お気に召すまま。

 

やってみたら、

 

どれも。

 

これも。

 

三百六十度、全方向。

 

旨い。

 

脳天が痺れる程旨い。

 

特筆すべきはやはり、うなぎ。

 

「皮ぱり身ふわじゅわ」

 

私の稚拙な表現ではこれが限界。

 

本当に今まで食べていたうなぎとは違っていた。

 

当たり前と怒られるかもしれないが、舌に骨が当たらないのだ。

 

ただただ柔らかい何か。

 

そして、身が分厚い。

 

イコール、旨い。

 

あれよあれよと言う間に食べ終わる。

 

ああ、幸せだ。

 

?!

 

子供達も完食。

結構な量なのに。

 

皆満足。

 

こんな事ならもっと早く来たら良かった。

 

「来ず嫌い」

 

は、良くないと思う私でありました。

 

後編へ続く。珍しく。

 

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