土曜日、在阪の友人を愛車で迎えに行き、ある場所に向かった。
目的は、
「答え合わせ」
とでも言うべきか。
ノスタルジーをテーマにブログを書く様になって早一年。
どうも私は、レトロゲームに強く郷愁を感じているみたいだ。
うろ覚えの記憶を使って作成した記事達を読み返していると、どうしても本物に会いたい感情が沸々と沸いてきた。
名前を調べ、画像を調べ、あのゲームが置いてある場所を探した。
そして、発見。
場所は、そこまで遠くない。
天王寺の「新世界」だ。
新世界。
最初に行ったのは確か就学前か。
祖父に手を引かれながら、
—俺の手を離すなよ。
いつも優しい祖父が、自分の事を「俺」
そして、命令口調。
かなり危険な場所であるのだろう。緊張感が伝わってきた。
行き交う人の中には見るからに怖い人も居た。
通天閣の展望台に登るエレベーターは、何故かラッカーシンナーの臭い。
街の印象は、
錆びた鉄。
一人では到底来られない場所だった。
それから40年。
町はすっかり様変わり。
明るい観光地となっている。
さて、話を戻そう。
地図を見ながら歩く事5分。
目立つ場所にそれはあった。
レトロゲーセンザリガニ。
ここに、あれがあるのか。
はやる心のまま店内へ。
1階、アウトラン、アフターバーナーなどの体感ゲームが並べられている。
階段を登るにつれて、逆に深海へ潜って行く様な感覚。埃っぽい、昔のゲーセンだ。
そして、最上階に着いた。
あれ?無い。
そこかしこを探していると。
!!
目的の物では無いのだが、この筐体を見た瞬間、視界がモノクロになった。
ダイエーの一階。ドムドムバーガーが、ガラス窓の向こうに見える駐輪場の軒先に、これが何台が並べられている。
残念ながら、ソフトは「いっき」ではなかった。「ソンソン」「アッポー」そして、
「ゼビウス」。
ルールがあんまり分かっていないのに、親にせびってやらせて貰ったなあ。
嗚呼、懐かしい。
ここには、アレは無い。
ただ、諦めるのはまだ早い。
実は「ザリガニ」には、スーパーの名を冠した、
「超ザリガニ」
が別店舗として存在しているのだ。
そこなら。
また、我々は歩き出した。やはり、祝日。行動制限のない今、かなりの人混みだ。その波を掻き分け押し退け歩く事10分。
階段を登った先にそれは居た。
ミニドライブ。
これ、これなのだ。
私の郷愁が溢れ出す。
以前の記事に書いてあるので、端折るが、
こんな絵を想像のみで描いたくらい好きなのだ。
やっと出会えた。
40年ぶりにプレイ出来る。
さあ、お金を入れようと財布を取り出したのだが、何か違和感を感じた。
電源が入っていない。
よく見ると。
下に、養生テープが落ちている。
コイン投入口に貼っていたのか。
ハンドルを回しても、タイヤが連動しない。
…故障中だった。
残念だ。
いや、残念というより、感謝の感情の方が優っていた。
調べると、1960年代のシロモノらしいのだ。私が遊んでいた当時ですら、レトロゲームだったのだ。
そんなゲーム。動かずとも、姿を見られただけでも大満足だった。
でも、修理していただけるのならば、きっと馳せ参じるだろうけどね。