表と裏の高速回転

色々な気持ちを忘れない様に

「I」

 子供時代の一人称。

男の子なら「ぼく」か「おれ」。

女の子なら「わたし」。

 

 幼稚園、小学校と私は「ぼく」で通してきた。

 自分のことを「おれ」と言うのには資格がいるような気がして使えなかった。

 

 思春期に入り、皆が「おれ」デビューし始める。

 私も「ぼく」のままでは、いけないとは思ってはいたが、自分のキャラクターとの乖離が甚だしく二の足を踏んでいた。

 

 そして、編み出した呼び名が

 

 

「わし」

 

 

 

 祖父には不評だったが、なんとなく捻くれ者の自分を表していると感じ、気に入っている。

 今現在は年齢が追いついて来たのか、気兼ねなく「わし」と言える。

 

そして本題。

 

 英語の「私」の主語は「I」。

 

 それだけ。だと、確か教えてもらった。

 

 もし英語が使えたら、「わし」を「I」で表現してみたい。

 

 身振り手振り表情を交え、相手にこの人の一人称は「わし」なんだと思わせてみたい。

 

 馬鹿げた自己満足。

 

 どこにたどり着くでもない欲求が私のアイデンティティであり、チャームポイントであり、そして、一人悦に入り、ビールを飲んでいる。