私は、物欲のみに支配されていた。
母親に気づかれぬ様、ほぼおもちゃで構成されているお菓子を、そっと買い物カゴに入れ、強引に買わせる技を幼稚園入園前に既に会得していた。
買って欲しくて大声で叫びながら店中を転げ回る大技すら惜しげもなく繰り出す事が出来た。
一度しか会ったことのない親戚におもちゃをねだる事も躊躇しない。
遊園地で見たポケバイを、買ってもらえると信じ、同級生達に自慢して回った。(流石にこれは買って貰えなかったが)
末っ子と言う立場を存分に生かした立ち回りで暴君の名を欲しいままにしていた。
そして、ついたあだ名が
カウ(買う)ボーイ
今はその頃と比べ、大分落ち着いている。