この写真。
以前から作りたいと言っていた、プラモデル。
ようやく色をエアブラシで塗ってみたのだ。
よく見て頂くと、所々ハゲていて素地が見えてしまっている。
—まあ、後で塗り直したらよい。
この境地に至るまでどれだけの時間がかかったか。
エアブラシを購入したのは昨年の6月。
それを皮切りに色々な物を購入した。
ニッパー、塗料、ヤスリ、ピンセット、接着剤などなど。
準備は早いうちにできていた。
後は組むだけ。
塗るだけだ。
いや、その前に。
参考にと、見たYouTube。
これがいけなかった。
次々と見せつけられるプロの技。
合わせ目消し?
下塗り?
マスキング?
完成したそれは正に工芸品の域。
これが、私にできるのか?
胸が泡立つ。呼吸が浅くなる。
すると、
—できるわきゃねーだろ。
お前みたいなもんが。
皮肉屋登場。
—何回プラモ作ったよ?今まで。
数える程やろ?その上満足の行く出来は一個もあらへん。
あのな、
お ち つ け よ
怯えてんなよ。
新しい世界に顔つけてすぐに上げんな。
怖ても息止めて目ぇ開けて少しじっとしてろ。
エアブラシなんて初めて使うんやろ?
何が「出来るのか?」やねん。
出来るわけない。
少しずつ経験を貯めるんや。
色々味わえ。
そしたら、いずれ出来るようになるんやろ。
ホンマ、お前は何に対しても、誰に対してもそうや。
怯えて、構えて、切り抜けようとする。
一回深呼吸して、余裕を持て。
いままでも、ワシの声も最初の一声だけ聞いたら、逃げていってたやろ。
皮肉屋ってなんやねん。
クソムカつく名前つけやがって。
お前の為に言うたろ思てんのにやなぁ。
いや、マジで、立つ瀬無いで。
ええか、
な げ だ す な
う ち か て
よ。
自分に。
—ハイ、そうです。
イヤ、そうでした。
今までは。
—これでええんやろ?
文句あるか?
ぼくは今、少し遅い反抗期に差し掛かっている。
今週のお題「投げたいもの・打ちたいもの」