吾輩は今月、弐本の大作を書いた。
自分の中を探る行為といふのは、大分疲れるものだ。
一つのおもひでを様々な角度から切り取ろうと色々考へる。ああでもない、こうでも無いと思案にふける事は楽しひ。
その反面、やはり読者様がゐると言うプレツシヤアも感じてゐる。
さらに今回のふたつに至つては、はてな様に選んでもらへるよう、考へに考へ抜いた物である。
ふたつともきつちり一週間づつかかつて書き上げる事に成功せしめたが、頭を大出力にて、回転させてゐるとどうしても、糖が足りなくなつてくる。
その様な時、吾輩は大好物の
チヨコレイト
を食す。
最近はもつぱら、傍らに
レイズン
を置いてゐる。
これが丁度いいのだ。
まず、チヨコレイトを一片頂戴する。
脳が、最初の甘さを感じるか感じないかの刹那、レイズンを弐、参個程口内に投じる。
すると、チヨコレイトとレイズン、甘さと酸っぱさのデツトヒイトが生まれる。
競走のやうでいて、ハアモニイのやうな。
どっちも負けるなと、吾輩は声援を投げかけ固唾を飲んで見守るのみ。
否。唾液の間違ひ。
そうこうしてゐる内、腹内へあつという間に消へていつてしまう。
嗚呼、旨し。
この行為を、弐、参回繰り返し、落ち着いた所でまた、思案に戻る。
用意するレイズンも、チヨコレイトもそんなに豪華な物で無くて良い。
どちらも、ラムウという、デイスカウントスウパアにて入手してゐる。
吾輩、域値を超へた高級な食べ物は、どうしても分からない事に気が付いた次第。
吾輩にとつての贅沢は、こんな事で良いのだ。
食べ過ぎと妻に怒られるが、ナントカ良い言い訳が無いかと考へてゐる。
すると、又欲してしまう。
甘ミヲ。
メビウスの輪のやうな、逃れられぬ運命に抗うこと等できようか。
今週のお題「あまい」