表と裏の高速回転

色々な気持ちを忘れない様に

新通貨

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仮想通貨。

なにやら「最近」のワード。

若人とは違う私の時間感覚からしたらの話だが。

 

株やFXと一緒なのだろう。

 

何も知らない者の感想だ。

知っている事と言えば、

 

ビットコインとか、イーサリアムとか、

パソコンのグラフィックボードを使って

マイニング?するとか、

換金しにくい?とか、

 

結局よく分からないまま。

 

乱高下を繰り返している金融商品だと決めつけて本題へ。

 

 

小学校2年生の頃の私。

 

 学校に行くのが面倒くさかった。

 

一番多い時で、月の半分くらい学校を休んだ事がある。

 親には腹痛や、頭痛といった適当な理由をつけていた。

 今思えば、良くあんな簡単に休ませてくれたと変に感心する。

 

 たまに出席したと思ったら、テスト中、隣の子の答えをガン見しても気にしない。

 

さすがに先生には注意されたが…

 

 

そんな、たまに行く学校で、

 

 

牛乳キャップ

 

 

が流行った。

所謂、

 

給食で出てくる牛乳瓶の蓋。

 

である。

 

それを集めてメンコ遊びをする。

めくったら、勿論めくったキャップが手に入る。とりつとられつ、夢中になった。

 

不器用な私も頑張って集め、プレイに参加した。

糊で重ねて張り合わせ、分厚いのを作ったのを覚えている。

 

3つ違いの兄の教室に貰いに行ったら、恥ずかしいと追い返されたなあ。

 

後、キャップを綺麗に瓶から外すのもテクニックが必要だった。

 

針のついた棒で刺して取るのが早いのだが、穴が空いてしまう。

スプーンを使いシーソーの要領でひっくり返し気味に開ける。それも凹みができてしまう。

 

なので、爪でなんとか

 

かりかり

 

慎重に取る努力をしていた。

 

そんなある日。

教室がいつもより慌ただしかった。

 

人だかりの中心。

小柄なクラスメイトの女の子が立っていた。

 

何やら、大きな声で喋っている。

 

—キャップ○枚で小、○枚で大。

 

それを聞いた好奇心旺盛な男子が牛乳キャップを渡した。

すると、彼女が紙の様な物を返す。

 

私は、何と交換したのか気になり、彼に近づいた。

 

見れば

 

「シール」

 

だった。

 

漫画のキャラクターとか、乗り物とかではなく、  

 

ベル🔔

 

の絵が描かれていた。

 

これが何なんだろう。

当時の私には興味がなかった。

 

今もなのだが。

 

他のともだちは皆、躍起になってキャップを彼女に渡していた。

 

これが数日続いた。

 

狂乱の渦の中心。彼女の手元には凄い枚数のキャップが集まった。

 

何が起こるのだろう。

私は、固唾を飲んで見守っていた。

 

すると、沈黙を貫いていた「彼女」がとうとう動いた。

 

—学校に必要のない物は持って来ない様に。

 

先生  

 

だった。

 

まあ、そうなるわな。

 

これで、この狂想曲も幕を閉じた。

 

今思う。

あの先。先生が何も言わない

 

「もし」

 

があるとすれば。

彼女が寡占したキャップを使い、

 

シール

 

ではない、それこそ、鉛筆やノートなどと交換していたのではないかと思うのだ。

メンコ遊びで負けた人間の射倖心を煽ってキャップを

売っていた?のかもしれない。

 

通貨としての

 

「キャップコイン」

 

の誕生である。

 

残念な事に、彼女は程なくして転校してしまった。

 

若くして、「市場」を創生しようとした野望は儚く消えたが、今頃、彼女は相場の世界で大暴れしているのではないかと、私は勝手に想像するのだった。

 

 

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