表と裏の高速回転

色々な気持ちを忘れない様に

ダイエー

  祖母の家の近所に、二つのスーパーマーケットがあった。

 ダイエーイズミヤである。

 私の家からは、徒歩圏内で二階建て以上のスーパーが無かった。

 

 なので、夏休みや冬休みの帰省時にその二件に行くのがとても嬉しかった。

 

 とくにダイエーの屋上は広く、テントの中にアーケードゲームや、お菓子が取れるクレーンゲーム、綿菓子を作る機械などが置いてあった。そして、冬になればスケートリンクがあったり、巨大なキャラクターの風船の中でトランポリンの様に跳ねる遊具があった。

 それは私にとって、遊園地と見まごうばかりの眩しさがあった。

 

 あれは、きっとお正月だったと思う。

お年玉をもらい、喜び勇んでダイエーに向かった。3つ違いの兄が走って先に階段を登る。負けじと私も後を着いていく。目指すはおもちゃ売り場。

 あの当時はゲーム雑誌も読んでいなかったのだろう。何が売っているか分からないワクワク感があった。

 売り場に着き、見渡すと「プロ野球ファミリースタジアム」のカセットが10本程積まれていた。ナムコのカセットは当時、他社とは違ってプラスチックのケースに入っていた。

 もうこれしかないと相談し、購入しようとした。

 

 

 その時、どちらが言い出したのかは覚えていないのだが、屋上に先に行って遊ぼうとなった。

 ダイエー+お年玉でひきつけレベルまでテンションが上がっていたと記憶している。

 屋上でひとしきり遊び、さあ、ファミスタ買って帰ろうとすると、あれだけあったカセットがあろう事か売り切れていた。

 あの時の我々に諦めて帰るだけの判断力があるはずも無かった。

 何かないか何かないか、と手にしたのは…

 

 

 

  元祖スーパーモンキー大冒険

 

 

 

 私は、生まれて初めてゲーム中に吐いた。